For A Week 2

「なんで！お前ら帰ったはずじゃ・・・？」
びっくりして涙が止まった。
「全部俺らが仕組んでいたことだからな。帰れるわけないだろ。」
向日はサラリと聞き捨てならないことを述べた。
仕組んだって何をだよ！？
「宍戸、お前さん嫉妬したんだろ？鳳と女が抱き合ってて。」
いきなりの図星に何も言えない。
「え、宍戸さん、あれ見てたんですか？」
ビックリしたように長太郎は言った。
つまりは女と抱き合っていたことを認めたのだ。
そう思うとまた涙が出てきそうになった。
いや、さすがにこんなに人がいる中では意地でも泣かないけどさ。
「嫉妬したところ悪いけど、あれ、俺だったんだよね。」
向日はそう言って持っていた荷物を床に広げた。
それは俺が見た女と同じ服と、ロングヘアーの鬘だった。
「忍足先輩にキモがられたって言って、抱きついてきたのも作戦だったんですか？」
「もちろん！」
向日は悪ガキのような笑いを長太郎に向って浮かべた。
「俺が岳人をキモがる訳あらへんやろ。」
俺は忍足と向日が話す真実を馬鹿みたいに口をポカーンと開けて聞いていた。
「じゃあ宍戸が泣いていたのは鳳が、女と抱き合ってたからで、本当は女じゃなかったからもうこの話は解決でいいんだよな？」
跡部が呆れたようにそう言った。
「部長と宍戸さんのことは？抱き合ってたじゃないですか？」
「は！！どこかの馬鹿が珍しく泣いてたから慰めてやっただけだ。」
「・・・ありがとよ。」
物凄く情けないと思ったが顔を背けながらもお礼を言った。
たぶん俺の顔かなり赤いんじゃないだろうか？
跡部に慰めてもらうなんて不覚だぜ！
「ふん。俺様は暇じゃないんでな。解決したなら行くぜ。」
そう言って部室を出て行った。
「じゃあ俺らもこの辺で・・・二人でごゆっくりー＊」
忍足、向日もさっさと出て行った。
しばらく沈黙が続く。
最初に話したのは長太郎が先だった。
「ほんとに嫉妬・・・してくれたんですか？」
俺は無言で俯いた。
「ねぇ、宍戸さん・・・。」
長太郎は俺の顔を覗き込むようにして俺の返事を促した。
「うるせぇ！誰が嫉妬なんか・・・くそっ！」
俺は顔が真っ赤になっていくのが分かった。
「自惚れていいんですよね？」
どこか嬉しそうでそれでいて不安そうな声が俺の耳に届いた。
俺は無言でこくんと頷く。
「ありがとうございます！嬉しいです！！」
そう言って抱きついてきた。
長太郎は感極まったかのように俺の頭にキスを降らしてきた。
「ねぇ、宍戸さん。俺にも部長にしたようにキツク抱きしめてください。」
顔を俺の顔の正面に持ってくると期待したように目をキラキラさせてそんなことを言ってきた。
俺は素直に抱きしめてやる。
「ありがとうございます。」
長太郎はホッとしたような嬉しそうな声で礼を言った。
その声を聞いて俺も嬉しくなった。
しばらく無言で抱き合っていると長太郎が言った。
「今度先輩達にお礼しなくちゃですね。」
自分の気持ちに気付いたのも、素直にそれを言えるような状態にしてくれたのも忍足と向日のおかげだ。
そして泣いてる俺を慰めてくれた跡部。
少しくらいは感謝してやってもいいかななんて心に余裕ができた俺は生意気な感じにそんなことを思っていた。
それから俺と長太郎は日が暮れるまで抱き合いながら他愛もない会話をし続けていた。

「いつまでそうしてるつもりだ？」
用事を済ませ部室のドアの鍵を閉めに来た跡部が呆れたようにそう言った。
俺は慌てて長太郎から離れる。
「あ、えっと・・・もう帰るよ！！」
そう言って荷物を肩にかけると部室を後にした。
その後を長太郎が急いで追ってくる。
「宍戸さん、待ってくださいよ。」
焦ったように追いかけてくる長太郎を見て自然と笑いが込み上げてきた。
「何で笑ってるんですか？」
「なんでもねぇよ。」
長太郎が自分のことを大切にしてくれていることを長太郎の一挙一動で感じ、幸せになる。
「もう俺を、不安にさせんじゃねぇぞ。」
赤く色づく空を見て、長太郎に言った。
「はい！幸せにします！！」
まるで結婚のときに言うような台詞だなと笑えたがでも顔は熱いのが分かった。
日が赤いので自分が赤くなっているだなんてことは半歩後ろでついてきている奴には気付かれていないんだろうなと思う。
よかったと安心すると同時に幸せを感じていた。

結構長い期間途中で止まっていました・・・（汗）
以前にUPした『甘い一日』の続きです。
１ページにまとめよっかなと思っていたんですがそれは長すぎるかなと思って２ページにしてみたら
ものっすごい中途半端な感じになりました。文字数がかなり違う・・・（汗）
しかも最初の方を書いたときから半年くらいたっていたのに読み返すことなく続きを書いてさらに通して読んでたりしません！（死）
不真面目な管理人でスイマセンm（_ _;）m見捨てないで下さい。ちなみにテニスも大分みてないです・・・。
最初の頃ぐらいだという風に思って見てください・・・。

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